2015年10月30日金曜日

詰碁は詰めるためにあらず?

今回は、碁石洗いのお話を一回お休みしまして、
本日のお客様と席亭の対局中に、盤面に現れた詰碁問題を
ご紹介したいと思います。

(先にTwitterへ上げてしまいましたけれども)

まずは、問題。
シンキングタイム・スタート! チクタク チクタク…(アナログ)


ポーン!(終了音)

…ことごとく外しているヒトもおりますが、いかがでしたでしょうか。
(解答は下の「もっと読む」からご覧ください)


つねづね席亭から「詰碁しなさい」とソフトな雷?を落とされる
下っ端ですが、わりと最近まで、どうして詰碁が大事なのか
分かっておりませんでした。

席亭自身、「こんな形は、実戦じゃ出てこないけどね」
などと言う問題もありましたし。

それなら、どうして詰碁は必要なのでしょう。


例えば、目の前の机にナナフシ(枝に擬態する昆虫)がいたとしましょう。
虫の苦手な下っ端は、当然びっくりするわけです。

ところが、机と同じ広さに林を囲って見せられても、
「そこにナナフシがいるよ」と言われるまで、多分気づかないでしょう。

同じように、「これは詰碁だよ」と出された「部分」の問題なら、
if~elseの総当たりをしてなんとか解くことは出来ても、
対局中の盤上から、他の石たちに埋もれているその「部分」を
見出す力は、下っ端にはまだまだ身についておりません。

そんな、盤面に隠れている「ナナフシ」を見つける訓練のために
詰碁を解くのだ、と思っていたのですが、席亭の意見は違うようで…

 「常に相手の最強手を読む。その力をつける訓練が詰碁なのーう!」

…だそうです。


大分、お酒が入っている時に聞いたせいで、語尾が若干残念な感じに
なってしまいましたが、つまるところ詰碁は万能薬ということなのでしょうか。

ヨッパライのお言葉ではありましたが、下っ端にとっては、苦手な詰碁も
頑張ろうかしら、と思う一助にはなったのでした。


(author:下っ端)


2015年10月27日火曜日

試行錯誤碁石洗い①

最初にお断りしておかねばならないのですが、
以下に挙げるお手入れ方法は、「硬質ガラス製の碁石」用です。
天然素材の碁石に用いると、劣化や破損を招く恐れがございますので、
決して試されませんよう、お願い致します。


ということで、今回は購入した碁石を初めて洗おうとした時のお話です。

右も左も分からない下っ端、まずは囲碁に関しては大先輩の
席亭に尋ねてみることにしました。

 下っ端 「どうやって洗うものなの?」
 席亭  「バケツに水と洗剤と碁石を入れて、かき混ぜる」

…なんですか、そのインスタント食品の作り方みたいな説明は!

そのような豪快な方法では、破損伝票を山ほど書くことになる
予感がしたので、大人しくネット検索することにしました。


あら、ヒカルの碁(コミック版・3巻P.55)にも碁石洗いのシーンがあったのね。
桶に水張って、碁石入れて…

…えええ、席亭が言った方法と一緒なの?
(かき混ぜるのではなく、押し洗いのようでしたが)


他にも色々検索してみた結果、概ね

 ① 水~ぬるま湯 (熱湯厳禁)+キッチン用中性洗剤少々に
 ② しばらく碁石をつけ置き
 ③ 水で濯いでからタオルドライ

ということでしたので、この方法で、早速洗ってみることにしました。
さて、一体どうなるでしょうか。

(こんな話題で恐縮ですが、次回に続きます)


(author:下っ端)



2015年10月22日木曜日

音の楽しみ

先日、下っ端の知人が、

 「うちの子は囲碁を打てないけど、
  ”石を打つ時の音が好きだから”
  と言って、ずっと囲碁番組を見ているのよ」

という話をしてくれました。

自分でも打ってみようかな、と思う日が来てくれるといいなあと
思いつつ、下っ端も石の音が大好きなので、うんうんと大きく
頷いたのでした。


しかし…

いい音をさせて打つって、結構難しくないですか!


碁石の持ち方と打ち方は、席亭に教えて貰ったのですが、
下っ端が打つと、なぜか「ぺち」とすら音が出ない、無音の碁。

席亭のように、腕がすっと前に出るのと同時に、
カッ!と澄んだ音を立てられたら格好いいのになあ…。


以前、Twitterにも書いたことがあるのですが、
当店の一周年記念にお客様から頂いた、
菊池康郎先生の打碁集に挿まれているエッセイに、

 「一人碁をしすぎて、人差指の爪が割れた」

という幼少時(!)の思い出があって、
とてもびっくりしたことがありました。


そこまで行かずとも、打ち続けた結果としての石音なのであって、
下っ端が無音なのは、さもありなんということでしょう。

まずは棋力アップを目指して、日々無音を重ねて行きたいと思います。


(author:下っ端)



2015年10月15日木曜日

碁ビュタント

アニメの「ヒカルの碁」が流行った時、囲碁に興味を持ってくれた方たちの、
受け皿となる場所や人材が足りていなかった、という話を
ちらほら伺うことがあります。

今なら絶対そんなことないのに!と思っていたのですが…。


先日、下っ端と対局してくださった、とっても可愛い(アッキーナと
バレーボールの木村沙織選手を足して2で割ったような)女性が、

  「碁会所に行ってみたら、入門者はちょっと…とお断りされてしまって」

というお話をされて、ドキッとしました。でも、すぐに続けて

  「たまたま指導できる方がお忙しかったか、
   同じくらいの棋力の方がいなかったのかも」

とおっしゃって下さいまして、碁会所自体にはマイナスのイメージを
持たれなかったご様子に、ほっと胸をなで下ろしながら、
諦めずに当店へいらして下さったことに感謝したのでした。


下っ端がこのようなことをいうのもおこがましいですが、
囲碁は一生ものである分、遥かに遠い道のりを思うと
時々くらくらしてしまって、単純に楽しい面だけを語って
いいのかしらと思うこともあります。

でも、囲碁と出会われて、更に碁会所にも行ってみようと
思ってくださった方の、初めの一歩を踏み出す場所ともなり得るわけで、
それに相応しい時間を精一杯提供していかなくては、と
改めて思ったのでした。

碁会所って楽しいかも!と思って頂けたら何よりなのですが…。

また下っ端と打ってくださらないかなあ、と心待ちにしつつ、
可愛い以上に聡明な方でしたので、下っ端などさっさと越えて
あっという間に遥か先を行かれるような予感がしてなりません…。


(author:下っ端)



本日の4コマは、囲碁にご縁のなかった頃の思い出です。

今となっては、これほど性格の違うゲームがどうして
一緒の部活なのかが、よく分かりません…。



2015年10月12日月曜日

囲碁の効用?

こども囲碁教室では、基本的なルール説明をしたあと、

 「じゃあ打ってみよう」

と、すぐ実戦に入ります。

その教え方を初めて拝見した時は、とてもびっくりしたのですが、
まず本を用意して、基本定石を覚えて…と、
幾重にもガードを固めてからでないと
一歩を踏み出せなかった自分よりも、ずっとずっと、
囲碁の楽しさをストレートに味わっているように感じます。

でも、楽しい反面、悔しいと感じる気持ちも大きいのでしょう、
今日のこども教室では、堪えきれず涙を流すお子さんの姿が。

I先生は、そんな彼を励ましながら、そっとティッシュを渡し、
下っ端は心の中で「がんばれー」と応援しておりました。
(なんて使えないヒト…)


「囲碁の効用」などというと、猛烈な反発を招くことは
囲碁未来の放送でよく分かった上で書くのですが、

それはもう超がつくぐらい負けず嫌いの席亭が、
普段の生活で全くといっていいほど怒りを表に出さないのは、
子供時代にくり返した「負ける」経験によるものではないか、
と思うのです。

負けることに慣れる、ということではなく、
泣こうが喚こうが現実は変わらないのだから、
気持ちを切り替えて、別のアプローチを探す。

そして、最後には勝つ!


席亭自身、どうしたら囲碁が上達するかとの問いには、

 「負けた時の碁を思い出すのはとても苦しいけれど、
  その駄目だった手を覚えておいて、絶対くり返さないようにする」

と答えていたことがありました。

その方法論は、現実の生活にも活かされている、と、
身近に暮らす下っ端としては思う次第です。

まあ、それが出来れば苦労はしないんだよー、と
いじけた気持ちになることも否めませんが…。


(author:下っ端)




2015年10月8日木曜日

サロン事始め②

本日は、席亭の「碁会所やるよ」宣言の続きのお話です。
(画像をクリックすると、多少大きいサイズでご覧頂けます)


お店を始めた当初、店内で唯一囲碁が分からないヒトとして、
身の置き所がないような気持ちに囚われておりました。

なんとか打てるように!と思い、次からつぎへと身の丈以上の
内容の囲碁本を漁っては、

 「こんなことが分かるようになるのかしら」

と、ため息をつく毎日。

それから一年半が経過しましたが、残念ながら下っ端の棋力に
劇的な変化はなかったりします。

焦っても仕方ありませんし、出来ることからコツコツと~と
思って勉強を続けているのですが、いつも教えてくださる
席亭母やお客様方には、なかなか進歩の証をお見せできず、
申し訳ない限りです。

席亭はといえば、自分の勉強が忙しいこともあるのですが、

 「級位者のお客様にちょうどいいから」

などといって、あまり真面目に教えてはくれません。

初心者教室の生徒さんに教えるように、
下っ端にも教えて欲しいところです…。


(author:下っ端)




タイムマシンがないのなら

本日Twitterのタイムラインを賑わせていた、
ニコニコ生放送「日本囲碁界の未来を語る会」のタイムシフトを
先ほど見終わりました。

…一度見ただけでは殆ど内容が頭に入らなかったのですが、
気になったコメントについて、(あくまでも下っ端の個人的な)
感想を書いてみようと思います。



■コメントその1:「子供に囲碁を押し付けるな」

もちろん、自発的に囲碁を好きになってもらえるなら、
それが一番だと思います。

しかし、両親とも囲碁が打てて、緑星学園に通わせて頂いた席亭と違い、
子供時代の下っ端には、囲碁に親しむ機会が全くありませんでした。

不惑を過ぎてから囲碁を覚えようとしている下っ端がいつも思うのは、
  「子供の頃に基礎だけでも学べていたらなあ」
ということです。


「琴棋書画」と並び称される教養のうち、現在、義務教育で取り入れられて
いないのは囲碁だけです。

図画工作苦手、学校の音楽つまんなーい、そういう子も中にはいる
ことでしょう。でも、それは教育の押しつけでしょうか。


まずは出会う機会を作ること、それが大事ではないかと思うのです。
(それが、うーんと楽しい出会いになったなら、もっと素敵)

囲碁って面白いな!と思ってくれたら続くでしょうし、
興味が沸かなければそれまでのお話。

今は興味がなくても、大人になって改めて囲碁を打ってみたく
なった時、子供の頃の手続き記憶が役にたったりとかしたら、
それも素敵。

こどもにとって何が必要となるかは分かりませんが、
義務教育と言う平等に与えられる機会ならば、
選択肢は多いほうがいいに決まっています。

…成績が絡んでくるのは世知辛いことですけれど。


まあ、これはもう、ただの囲碁好きからの視点かもしれませんね;
自分がこどもの頃に出会えなかった機会を持たせてあげたいという、
ただの我儘かもしれません。



以前Twitterのタイムラインで子供囲碁教室をされている方の統計を
見たのですが、初段突破の対局数ラインは、大体一千局くらいでした。

計算が苦手なので正確ではないと思いますが、お休みの日などを
適当に除くと、週に大体20局くらい打てたら、1年で初段さんくらいになる…
ような気がします。

初段あれば、テレビやネットの棋戦中継の解説も理解できます
でしょうし、楽しくなる一方ではないでしょうか。

大人になっても一緒に打てる仲間がいたらもっと楽しいでしょうし、
パートナーやこどもと打てたら、もっともっと…。

そうやってどんどん裾野が広がっていったらいいのになあ!


当サロンは、一般社団法人 全日本囲碁協会という団体の会員です。

全碁協では、囲碁を小中学校の正課に取り上げて頂くため、
年内いっぱいまで10万人を目指しての署名活動中です。

趣意書ならびに署名用紙は全碁協のサイトからダウンロードできますので、
ご賛同頂ける方は、ご協力のほど何卒お願い致します。



■コメントその2:「碁石を、もふもふにしたらいいじゃない」

何それ可愛い。作って…みたくなってしまうじゃないですか!


■ラストの「1分間で思いのたけをぶちまけようのコーナー」

…そんな名前はついていなかったかもしれませんが、
当サロンでこども教室をされているI先生や
十三路盤大会主催の政光さんのお顔を画面越しに拝見できて
嬉しかったです。

ああいう場所で発言できるって、ものすごく勇気があるなあ…。


(author:下っ端)


本日は絵を描く時間が取れませんでしたので、ニコ生用に作った
放送準備中の看板絵を貼っておきます。話題に関係のない画像ですみません;


2015年10月5日月曜日

放送反省会

本日は、席亭のニコ生放送デビューを振り返ってみたいと思います。
退屈かと思いますが、しばしお付き合い頂ければ幸いです。

そもそも、席亭はニコ生を殆ど見たことがありませんでしたので、
「わこつ」や「888888」などの基本用語や、ニコ生ならではの
お作法を下っ端が付け焼刃で伝授しましての、
ほぼ出たとこ勝負となりました。

しかし…

1枠目は、画面の切り替え忘れ(対局画面と検討画面)と、
終了時間の見損じ。

 (途中、下っ端がカンペを出していたのですが、
  見る余裕がなかったようです。

  声も固かったですし、席亭にしては珍しく緊張していたのでしょうか。
  普段はもっと面白い人なのですが;)

2枠目は、締めの言葉はきちんと言えたものの、
最後まで対局をお見せすることが出来ず、来週へ持ち越し。

 (尺の問題は、回を重ねて慣れていくしかないと思いますが、
  全体的に面白いかと言うと…ごにょごにょ)


放送スタイルは色々ありますが、下っ端としてはリスナーさんと
やりとりしつつ一緒に番組を作っていけるのがニコ生のいいところだと
思っているので、なるべくコメントを引き出していけるような
放送にしたいなあと思っています。

席亭がどう考えているかは、また別なのが困りものなのですが。
わりと我が道を行く人なので、ちょっぴり心配です…。

 (ご視聴期限は10月10日くらいまでです)

(author:下っ端)


作ったけれど使ってもらえなかった締め絵↓








2015年10月4日日曜日

ハローワールド

本日は、ついに席亭がニコ生放送デビューいたします。

  「面倒くさくなってきちゃった」

…どこからか戯言が聞こえたような気がしますが、
下っ端の残業を全て無にするような鬼はいないと
信じます。

信じて…いいですよね?


一抹の不安がよぎりますが、

「囲碁放送局ねこのかお」は、
本日10月4日(日)21:00より放送開始予定です!

■営業状況により、放送時間が多少ずれ込む可能性がございます。
 予めご了承のほど、お願い申し上げます。

■ご視聴には会員登録(無料)が必要となります。


リクエストにあった席亭の萌え声、出せるように
なったかしら…。


(author:下っ端)




2015年10月3日土曜日

サロン事始め①

囲碁サロンのブログを謳っておきながら、殆ど囲碁について
語られることがないというこのブログ。

本日も余談でございます…。


席亭と下っ端は、生年月日の下一桁以外が一緒の不惑組、
ミドルエイジ・クライシスなどと脅されるお年頃です。

下っ端の母が彼岸の住人になりました時、
ぼんやりと思いました。

「私の人生が母と同じ年齢で終わるとしたら、
 席亭と一緒にいられるのもあと20年くらいだなあ」

そして、お店を始める二年半ほど前に、席亭が少々珍しい病を得て
入院したこともあり、今後の人生というものをちょっぴり真剣に
考え始めたのでした。

まさか一年後に、席亭がさっさと行動に移すとは思いもせず。


…というお話を絵に起こしてみました。
不定期の続き物になるかと思われますが、
宜しければご覧ください。

(画像をクリックすると、大きいサイズでご覧いただけます)


(author:下っ端)




2015年10月2日金曜日

小人閑居して

当サロンのある千鳥町駅周辺には、ファストフード店や
コーヒーショップがありません。

「ちょっと早めに駅についたから、ここの開店時間まで
どこかでコーヒーでもと思ったのだけれど…」

そうおっしゃるお客様の声を、何度耳にしたことでしょう。

でも、もう大丈夫です。最近できた2軒お隣にある
フローズンヨーグルト屋さんは、コーヒーのみのご注文も可!

(という情報をお客様伝手に得たのですが、私共はまだ
入ってみたことがありません…)

ある日のこと、某チェーン店の二段重ねバーガーが
食べたいなあ…と席亭が呟きました。

こういう場合、独り言とは名ばかりのサジェスチョンで
あるということは分かり切っておりますので、一つ
作ってみることにいたしました。

まずはハンバーガーペーパーから!
(スタート地点が既におかしい)

バンズを作って、パティを焼いて、はい出来上がり。
お待たせいたしました♪

…。

中二日掛りました。

全く、何をしているのでしょうね…。


(author:下っ端)




2015年10月1日木曜日

静の海から

本日は、囲碁と猫らぶが共通点の、teamoon.様がご来店!

太極拳の先生ということは存じ上げていたものの、
無風の水面のように静謐な印象のteamoon.様でしたが、
初めて(置き碁で)打って頂いている間、
音楽・特撮・猫・漫画と会話の引き出しが次々に開くお話上手。

会話の死角が全くなくて、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

月というのは、地球側から見た面と反対側の面では
まるで印象が異なるものですが、お名前に月を抱く
teamoon.様の、今まで見えていなかった側を覗かせて
頂いたようで、とても楽しかったです。

色々びっくりするようなお話を伺ったのですが、
プライベートに関わることでもありますので、下っ端の胸の内に
収めつつ1つだけ。

「功夫」という言葉は武術の1つを指すだけでなく、
「腕前」という意味でもあるのだそうです。
(あと、発音は”コンフー”に近いそうです)

e.g.「あの人は囲碁の功夫がすごい」

しかし、席亭や下っ端とさほど違わない年齢でいらっしゃるのに、
どうしてこうも人生経験が違うのかしら…。


teamoon.様のブログはこちらから→「功夫(kungfu)漂流記

(author:下っ端)